=舞台を見に行くまで=
高橋さんが役者活動をしていないと言うネット上の噂は知っていました。
それでも、たまぁに「高橋和興」で検索をかけ、新しい情報がないか確認していたのは、諦めが悪いせいなのか、愛ゆえなのか?
でも。
そんな6月のある日、検索に引っかかったのは某役者さんのブログ。
なんと、舞台で高橋さんと共演するらしい!
しかも、日にちがないとは言え、舞台はこれから!
ひょっとして、ご本人に会えるチャンス!?
早速、主催団体のHPへ行くものの、「高橋和興」の名前はどこにもない!?
・・・どういうこと?
あれこれ検索してみたけど、決定的な情報はなく・・・
「劇場に手紙送ったらいいんじゃね?」
・・・安易な発想から、劇場付けでファンレターを送ったところ、それと前後して、主催団体のHPに客演として「和興」の紹介がされていました。<遅すぎ
「やっぱり出るんだ!」
出演情報を劇団に問い合わせてもメールの返事が来ないらしいので、劇団経由でチケットを購入するのはためらわれ(本当は高橋さんのノルマを軽くできればそうしたかったんだけれど)、ぴあで購入。
千秋楽の6月11日、13:00からの回と17:00からの回と2回、初めてのナマ高橋さんを見に行くことに。
道に迷ったらどうしよう?
本人が出てきたら芝居に関係なく泣いちゃうかもしれん・・・
いや、それより、鼻血とか出ちゃったら恥ずかしいよな・・・
様々な不安を胸に、大都会・東京へと旅立ったのです。
=舞台のあらすじ(ここからネタばれ)=
今回のお芝居は現代と過去を場面転換しながら様々な人の様々な「思い」を表現していきます。
<現代のあらすじ>
かつて、罪人達が流されてきていたとある島の定時制高校和太鼓部。部員はリーダー格の文人と妻子持ちの智哉、ちっとも上達しない優喜の三人。
しかし、顧問の近ちゃんこと近藤先生は、最低7人の出場が必要な水流祭のメインステージ使用を申請していた。
優喜が残りの部員を集めるが、和太鼓の素人ばかり。
しかも、近ちゃんは水流祭のための新しい曲を作っているという。
はたして、あと2週間の水流祭に間にあわせることができるのか?
<過去のあらすじ>
盗みや博打、反逆の罪などで島流しにされた罪人達。
彼らにはわずかばかりの畑が与えられていたが、到底、彼らの空腹を満たせるはずもなく、島民の善意によって生かされていた。
しかし、その善意も役人に見つかると取り上げられ、ひどい折檻を受けることになる。
中には役人に身を任せることで食料を手に入れているお絹のような者もいた。
そのお絹がもたらした情報によると、江戸では大飢饉が起こり、やがてはこの島にも影響が出ると言う。
そうなれば罪人達が暴動を起こすだろうから、という理由で、近々、罪人達を一斉処刑する計画だと言うのだ。
罪人達は、江戸に残してきた人や夢を思い、島抜けを決意するのだが・・・
=感想など(思いっきりネタばれ)=
高橋さんは過去の人。
流されてきた罪人達を取り締まる役人・原田役。
これが・・・めちゃめちゃかっこいいんですよ!
最初の登場は台詞が一切ないのですが、登場した途端にその存在感にひきつけられ、そのまま目が離せなくなりました。
その力強さ、美しさ、迫力・・・どれをとっても群を抜いています。
(・・・2回目の観劇で、はける時に低くとった姿勢を元に戻すのが、ほんの少し早かったので「あぁ、舞台袖が狭いのねぇ」と現実に返ってしまったのは残念。かなり前で見てたから、そんなとこまで見えてしまったのです)
そして、罪人達をいたぶるシーン。
悪役なんですよ。ひどいことしてるんですよ。
女の子の髪を掴んで地面にこすり付けたり、殴られて気を失った罪人に酒を浴びせ、無理矢理飲ませたり・・・
すごく怖いけど、でも、嫌いになれない、目を逸らせない・・・
泣きたいのだけれど、それは、原田の非道さじゃなくて、原田の切なさに。
最後、島抜けしようとする罪人達を追い詰めて、政吉と一対一で戦うシーンがあるのですが、その時に、政吉に「どうしてたくさん雨が降るのに水無月って書くか、知ってるか?」と言うようなことを訊くのです。
相手が答えないでいると、自分で「それはな・・・、そう書くからだよ」と答えるのですが、これが胸に迫る、迫る!
原田と言う男がどんな人物か、この一言に表されている感じがしました。
士農工商という身分制度があり、自由には生きられなかった時代。
改革を試みて捕らえられ、島流しにあった罪人と、おかしいと思いつつも役人として生き、罪人たちと同じ島にいる原田。
なぜなら、それは、そういうものだから・・・
そういう生き方しか、できなかったから・・・
たぶん。
原田にも夢があった時代もあったのでしょう。
身分違いの恋もしたかもしれません。
罪人ではないけれど、役人と言う身分だったけれど、決して幸せではなかったのではないでしょうか。
でも。
原田は何も変えなかった。
変えようとしなかった。
変えられ、なかった。
もう、切なさ満開ですよ!
高校生や罪人たちみたいに主役扱いの数人には自分語りがあったのですが、自分のことを何も語らずに、そこまで表現できていたのは高橋さんだけ。
それがすごく嬉しかったですね。
あと、個人的に好きなのは、存在感の光っていたきよ役の吉原優羽さん、かわいらしいお絹役の森本玲さん、和太鼓の音が好みの平助役の伊藤晃一さん。
そうそう。お絹のかんざしは、森本さんご本人のブログによると、どうやら高橋さんの差し入れのようでした。
高橋さん、美人には(?)優しいようです。
お芝居の後は、出演者がロビーでお見送りをしてくれたので、お目当ての役者さんとお話しすることができました。
もちろん、この機会を逃す手はありません!
疾風翔に一目惚れして二十ウン年。ようやく”ナマ”高橋さんに会えるのです!
「ようやくお会いすることができました」
と、一人で勝手に盛り上がり、握手とサイン、それに写真までお願いしてしまいました。(トップ画像はその時のものです!)
どれも快く応じてくださり、サイト運営についても「ぜひ」と仰っていただいたため、怠慢管理人としては大変申し訳ない気持ちでいっぱいになり、「リニューアルオープンしよう」と決意を新たにしたのでした・・・
※前回のREPORTからは想像できないほどおとなしい書き方をしていますが、和興にサイトバレしてビビッた・・・わけでなく、私が”オトナ”になった、ということにしておいてください。
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